木材の豆知識【パート3】~柾目(まさめ)と板目(いため)について~
柾目とは樹芯を通る方向、つまり年輪に対して直角に放射方向に挽くと、
樹芯の両サイドに「柾目板」が取れます。
これに対して等高線のような木目が表れるのが「板目板」です。
文章にするとわかりにくいですね。
書いている私もよくわからなくなってきたので下の写真をみてください。少しわかり易いかと思います。
写真を見れば木のどのあたりを採ったら柾目になるのか板目になるのかわかりまね。
一番気になるところは木のどこから取れるかよりも、板になってからのそれぞれの特性だと思います。その特性の中でも一番気になる「反りにくさ」ですが、
これはあきらかに柾目(まさめ)の方が板目(いため)より反りにくいです。
反面、板目の木目は「木」らしい美しい木目になることが多いです。
木目の中でも特に装飾性が高く美しいものを「杢(もく)」と呼びますが多くは板目です。本当は「柾目」「板目」で選別して販売したいところですが、現実は昨今
の無垢フローリング材は板目・柾目を選別して販売することはほとんどな
く、多くは「板目・柾目混合」になっています。
・これは選別作業に膨大な時間と労力を取られる割にはそれに見合う価格で販売できない。
・選別してしまうとどちらかが売れ残り、不良在庫になる。
というのが大きな理由です。販売者側もお客様から「柾目ばかりで選別し
て売って欲しい。」と言われて選別して売れば、当然残りは「板目」ばか
りになってしまう訳ですから、これをどのようにして売るか頭を悩ます訳
です。
たまたまその時に「板目ばかりのものが欲しい」というお客さまがいれば
問題はないのですがなかなかそういうことはないのが実情です。
このようなことからほとんどの無垢フローリングは「板目・柾目混合」に
なるんですね。
■含水率ってなに?
次は含水率についてのお話です。
「含水率」とは木材の中に含まれている水分の「率」のことです。
一般的には、100gの中に10gの水分があれば10%ということになります
が、木材の含水率の定義はそうではありません。
完全に乾燥して水分を含まない木材が100で、それに水分が10加わった状態
を10%といいます。ですから、一般的な10%は含水率の表示をすると、
10÷(100-10)x100=11.1%になります。
■一般的な無垢フローリングの含水率は何%?
木材を一定の温度と湿度のもとに放置しておくと、含水率はあるところ
で平衡状態になります。たとえば日本の平均的な温度20℃、湿度65の時、含水率は12%で安定します。
この12%というのが日本の平均的な場所での「平衡含水率」になります。ですから無垢フローリング材も含水率12%前後が一番、安定するのですね。
当然、雨が降っていれば木材の含水率は高くなるし、お部屋でエアコン
などを使っていれば乾燥して含水率は低くなるので無垢フローリング材
の含水率は10~14%をいったりきたりしているのです。
このように木材にとって含水率とは非常に大事なことなんですね。
ですから無垢フローリングを選ぶ場合は含水率が12%前後以下の
ものを選ぶようにしないといけないのです。
次回【パート4】は「木材の収縮の対処法」になります。