木材の豆知識【パート4】~これを知らないと無垢材を選ぶ時に損をする~
■木材の収縮について■
木材の収縮は大きく2つの要素に影響されて起こります。
・1つ目は目の違いによって起こる収縮です。
木材は含水率が約30%になると収縮を始めます。この時、繊維の配列と
細胞の組合せによって、方向ごとの収縮率は違うのです。
ちなみに収縮率は板目では6~8%の収縮、柾目では3~5%の収縮と言われ
ています。
((財)日本木材情報センター「木材乾燥のはなし」から)
これが「柾目の方が板目より反りにくい」理由です。
これは針葉樹、広葉樹を 問いません。
すし桶やお櫃のような水分の吸湿・放出を頻繁に行うものに柾目板を多用
するのは理にかなっているのです。もちろん、風呂桶も同様です。一般に
は、比重の大きい樹種ほど収縮率は高くなり、製材の場合は薄い板の方が
湿度変化の影響を受けやすくなります。
・2つ目は含水率によっての収縮率の違いです。
前回「平衡含水率」についてお話させていただきました。
木材の動きが止まる含水率ですね。日本では地域にもよりますが、
平均的な場 所では含水率12%が平衡含水率です。
実は木材の含水率は低ければ低いほどいいという訳ではありません。
たとえば木材の含水率を3%まで落としたフローリングを湿気の高い
部屋に施工したらどうなるでしょうか?
これはやはりフローリングは反ってくるのです。
まわりの湿度よりも木材が乾燥しすぎているのですね。
同じようなことが季節によっても言えます。
梅雨の時期であればフローリングの含水率を15%程度、冬であれば10%
程度にとか調節しないといけない・・・。
つまり大事なのは施工場所の湿度にきっちりと馴染ませてから施工をする
ということなのです。
初めに柾目より板目の方が反りやすいとお書きしましたが、床材の場合は
きっちり乾燥してあり、その後、床材が現場の湿度にきちんと慣れていれば
ほぼ間違いなく突き上げ事故は起こっていません。
(もちろん施工指示書通り、施工していただくことが前提ですが・・・。)
ですからフローリングが着いたら開梱して数日間、湿度を慣らすことが本当に
大事になってくるのです。
次回【パート5】は「なぜ無垢材があたたかいのか?」をお届けします。