木材の豆知識【パート2】~自然塗料のリボスとオスモの違いについて~
前回のパート1は「無垢フローリングの塗装は何がいいか?」についてを書きましたが
今回は「自然塗料のリボスとオスモの違いについて」をお届けします。
今からお話する「リボス」「オスモ」のほかにも「アウロ」やお米を主成分
とした「キヌカ」にかわを主原料とした「シオン」などたくさんの自然塗料が販売されています。
正直言って、どの塗料がいいとは一言では言い切れません。どの塗料も一長一短があるのです。
ですからそれぞれの特性をよく理解していただきご自分の納得いく塗料をお使いいただければと思います。ではみなさまのより良い家作りのために、代表的な自然塗料の「リボス」と「オスモ」
についてお話させていただきたいと思います。
■■リボスって何? オスモって何?■■
「リボス」・「オスモ」はドイツの自然塗料メーカーです。要するにメーカー名なんですね。
どちらのメーカーも「植物油」を中心とした成分なので非常に安心できる塗料です。
環境問題に厳しいヨーロッパならではの風土で、このような自然塗料が生まれたんでしょうね。
これらのメーカーの違いは何なのでしょうか?
まず成分の違いです。
・リボスは亜麻仁オイルが主成分(亜麻仁とは麻科の植物です。)
・オスモはひまわり油が主成分
どちらの成分がいいというのはありませんが製品によって塗料を塗った後の
仕上がり感が若干違います。
では両社の代表格的内装用商品を比較してみましょう。
リボス社からは「アルドボス」「クノス」という商品、そしてオスモ社からは
「フロアークリアー」という商品を比較してみます。
・アルドボス(リボス社)は亜麻仁オイルの成分のおかげで、少しあめ色になる
傾向があるが撥水効果があまり期待できない。しかしながらワックス系の成分
が少ないので塗る時によく伸び、塗りやすい。ツヤ無し塗装。
・クノス(リボス社)はアルドボスより、撥水効果があるが、アルドボスより
少しツヤ(3分ツヤ)がでる。このツヤは次に説明させていただくオスモ社の
フロアークリアーと同じ程度な感じ。
・オスモ(フロアークリア―)はひまわり油のほかに配合されているカルナバ
ワックスのおかげで撥水効果が期待できる。反面、リボスに比べれば伸びにくい
ので塗るのにリボスより時間がかかる。
※アルドボスはリボス社の内装用ツヤなしクリアー商品です。
ちなみに塗る時の「伸び」の違いは、そのまま「塗れる量」にも比例します。
メーカーからの指示書だと、2回塗りということなので、2回塗った時の使用量は次の通りです。
・アルドボス(リボス)
1回目 18m2/L
2回目 30m2/L
・クノス(リボス)
1回目 22m2/L
2回目 40m2/L
・オスモ(フロアークリアー)
1回目 12m2/L
2回目 12m2/L
つまり経済的にはリボス社がいい訳ですね。
このあたりで両者のメリット・デメリットをまとめておきます。
●アルドボス(リボス)のメリット
・亜麻仁オイルのおかげであめ色に仕上がる。
・ツヤがない。(ツヤなし希望の方)
・塗料がよく伸びるので経済的
●クノス(リボス)のメリット
・撥水効果が高い傾向がある。
・塗料がよく伸びるので経済的
●オスモ(フロアークリアー)のメリット
・カルナバワックス成分により撥水効果が高い傾向がある。
次にデメリットです。
●アルドボス(リボス)のデメリット
・撥水効果があまり期待できない。
●クノス(リボス)のデメリット
・アルドボスより少し単価が高くなる。
●オスモ(フロアークリアー)のデメリット
・塗料が伸びにくいのでリボス社よりも塗れる面積が少ない。
以上が主な自然塗料の違いです。
次回【パート3】は「これを知らないと無垢材を選ぶ時に損をする!」になります。